京都の中心部、烏丸三条から一本南の通りに建つ頂法寺。六角形の珍しい形をした本堂は通称「六角堂」といわれています。
その立地からサラリーマンの方が息抜きに訪れたり、近所の方がふらっと立ち寄ったりと京都に住まう人にとっても身近な存在のお寺さん。周辺には京都の台所として有名な錦市場などの観光スポットも多く、疲れた体を休めるには最適のスポット。今回はこの頂法寺「六角堂」をご紹介します。
散策にも最適。六角堂へは烏丸通を東に入ってすぐ
六角堂の創建は古く、聖徳太子が大阪の四天王寺建立のために用材を求めて京都を訪れたのがその起源とされています。
六角堂は、四条烏丸の交差点へと出る地下鉄「烏丸」駅と地下鉄「烏丸御池」駅のほぼ中間地点。烏丸三条の交差点から南に一本下った六角通を東に入ると、数メートルも歩けば六角堂の山門が現れます。
「鳩がいっぱいいる!」と思ったらそこが六角堂です。
オフィス街に建つ六角堂は都会のオアシスに
ビルに囲まれて建つ六角堂の境内は、ゆっくりとした時間が流れ「都会のオアシス」の呼び名がピッタリ。山門を抜けるとすぐ先に六角形の形をした本堂があり、その手前には枝振りの良い見事な柳が植えられています。
六角堂はいけばなで有名な池坊発祥の地
頂法寺六角堂は「いけばな発祥の寺」でもあります。
六角堂の北側には太子が沐浴されたと伝えられる池跡があり、この池のほとりに小野妹子を始祖と伝える僧侶の住坊があったことから「池坊」と呼ばれるようになりました。
これがいけばなで有名な「池坊」のはじまり。
池坊の祖先は、朝夕と本尊に花を供えていたところ花の名手として知られ、後年になりいけばな研修のための道場や教室などの施設が六角堂の北側に建てられました。
現在は池坊会館となり、この3階にある「いけばな資料館」には生け花の歴史資料の他にビル建設に伴う発掘出土品や、六角堂の什物等が展示されています。事前予約が必要ですので興味のある方はこちらへもどうぞ。
池坊会館
開館時間:9:00~16:00
入館料:無料
休館日:土曜・日曜・祝日・年末年始
TEL:075-221-2686
六角堂の姿は隣のビルのエレベーターから
六角形をしたお堂の姿は、正面から見てもなかなかわからないもの。
しかし、頂法寺六角堂に隣接するビルのエレベーターに乗るとその姿が分かるのです。
1階にスターバックスが入るこのビルはガラス張りのモダンな建物で、なんともお寺の姿とは不釣り合いなのですが、池坊さんが竣工したこのビルの名は「WEST18」
お分かりでしょうか。
西国三十三ヶ所霊場18番札所にちなんで付けられた名前です。
このビルの3台あるエレベーターのうち1台が展望エレベーターとなっており、上にあがると六角堂を見下ろすことが出来ます。六角堂の周りを囲うように左上に建てられているのが池坊会館です。
六角堂と池坊会館の間には池があるのですがおわかりになりますでしょうか。
この池にはハクチョウがいて、今年の春に赤ちゃんが5年ぶりに生まれました。これがまたモッフモフで可愛いのです。
(写真は2018年6月の様子)
最後に六角堂の見どころをもう一つ。
山門をくぐり目の前に植えられている柳の左脇に敷石があり、その中央に丸く穴のあいた六角形の石(礎石)があります。
これは794年の平安京遷都の一年前793年に、当時の六角堂が東西小路の中央に当たっていた為に、時の天皇である桓武天皇が少し南北どちらかに御動座頂くよう祈願されたところ、お堂が礎石一つを残し五丈(約15メートル)程北へ移動したという伝説が残されています。
その時にとり残された礎石がこの「へそ石」と伝えられており、もとは門前の六角通りにあったものを、明治初期にこの場所に移しています。
紫雲山 頂法寺(六角堂)
京都府京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町248
京都市営地下鉄「烏丸御池」駅5番出口から徒歩3分
阪急京都線「烏丸」駅21番出口から徒歩5分
市バス「烏丸三条」バス停から徒歩2分
拝観料:志納
TEL:075-221-2686