公開日 2022年6月29日 最終更新日 2023年6月25日
京都の6月30日といえば夏越の祓(なごしのはらえ)。一年の半分に当たる6月30日に半年間罪や穢れを落とし、無病息災を祈る風習。
多くの神社で6月30日の午後から夏越の大祓として神事が執り行われます。この日に合わせて各神社では茅萱(ちがや)という藁にも似た草で大きな輪を作り「茅の輪」を境内に設置します。
この茅の輪を潜ることにより無病息災に過ごすことができると言われているのが「茅の輪くぐり」です。
今回は京都市内で茅の輪くぐりをさせていただける神社をいくつかピックアップしてみました。
茅の輪のくぐり方
神社を紹介する前に茅の輪のくぐり方をご説明します。各神社でいくつか説はあるでしょうが、今回紹介するのは多くの神社でやられているくぐり方です。
まず、茅の輪を左足からくぐり左に一周します(反時計回り)、そのあとまた左足からくぐり右に一周します(時計回り)、その後もう一度左足からくぐり左へ回り通り抜けていきましょう。横向きの8の字で回って正面に抜けていきましょう。
その時に
「水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命のぶというなり」
(みなづきの なごしのはらえするひとは ちとせのいのちのぶというなり)
と心のなかで唱えるのが慣例です。
それでは、茅の輪くぐりのできる京都の神社をご紹介します。
上賀茂神社
個人的にですが、夏越しの大祓で茅の輪くぐりと行ったら上賀茂神社が一番に思い浮かびます。
茅の輪が特に大きいとかそうゆうことはないのですが、なんとなく「夏越の祓やし上賀茂神社いっとこと」となります。
ここは先に説明したくぐり方や「水無月の・・・」と唱えることばを書いてくださっています。
上賀茂神社
住所:京都府京都市北区上賀茂本山339
HP:https://www.kamigamojinja.jp
北野天満宮
天神さんでおなじみ北野天満宮はなんと言っても楼門に掲げられた大きな茅の輪。
北野天満宮では市が並ぶ25日の「天神市」に合わせて京都最大と言われる楼門に掲げられる直径5メートルの「大茅の輪くぐり」が有名です。
本殿前にも6月30日の神事に向けて茅の輪が設置されますが、こちらは祭典のときのみ潜るものとなります。
北野天満宮
住所:京都市上京区馬喰町
HP:https://kitanotenmangu.or.jp
大将軍八神社
北野天満宮からも近いのが大将軍八神社。
大将軍信仰という平安中期〜鎌倉時代に創建された神社で、宝物館には1000体以上の神像が祀られています。
西陣の住宅街の一角にあるので見落としがちですが、この神社のある一条通りでは百鬼夜行にちなんだもののけ市が開かれたりとユニークな商店街にあります。
ちょっとディープな京都観光をしたい人にもおすすめ。
大将軍八神社
住所:京都市上京区西町48
HP:http://www.daishogun.or.jp
護王神社
御所の西側にある護王神社は足腰の神様で多くの参拝者が訪れる神社。こちらでも拝殿前に茅の輪が設置されます。護王神社の茅の輪は飾り方が綺麗なんですよね。
風が抜けるような涼し気なしつらえに気持ちも軽くなります。
護王神社
住所:京都市上京区桜鶴圓町385
HP:http://www.gooujinja.or.jp
八坂神社
祇園の八坂神社にも茅の輪くぐりが設けられています。
本殿の脇に設置され、7月からの無病息災をお祈りできます。
とはいえ7月の八坂神社といえば祇園祭。6月30日に茅の輪は撤去され、翌日からは祇園祭に向けた神事が連日のように執り行われます。
八坂神社
住所:京都市東山区祇園町北側625
HP:https://www.yasaka-jinja.or.jp
疫神社(7月31日)
疫神社は八坂神社の摂社の一つで、四条通りから続く西楼門を潜った正面に位置しています。別名を蘇民将来社とも言います。疫病除の神様を祀ることからこちらにも茅の輪が設置されています。
疫神社では6月30日ではなく祇園祭の最終日である7月31日の夏越祭に茅の輪くぐりをさせてもらうことができます。6月に行けなかったわ〜という人は7月31日の疫神社に行かれるのもどうでしょう。
疫神社
住所:京都市東山区祇園町北側625
HP:https://www.yasaka-jinja.or.jp
藤森神社
京都市中心部の喧騒を離れるなら伏見にある藤森神社がおすすめ。あじさいで有名な神社ですが梅雨時の暑さが和らいでいる時は紫陽花苑で色とりどりの紫陽花を見ることもできます。
藤森神社
住所:京都市伏見区深草鳥居崎町609
HP:http://www.fujinomorijinjya.or.jp
というわけで京都市内で訪れることのできる茅の輪くぐりスポットをご紹介しました。
ここに掲載した神社の他にも地主神社や、伏見稲荷大社、京都ゑびす神社、白峯神宮、平安神宮、城南宮、松尾大社、粟田神社など観光マップに掲載されているような神社には茅の輪が掲げられています。
これから夏本番の暑さがやってくる6月30日の夏越しの大祓には茅の輪くぐりをして無病息災をお祈りしてみてはどうでしょう。
とはいっても色々な所に行って夏バテや熱中症にはならないように水分補給や塩分補給をしっかりしてお参りください。
おまけ・・・
京都で6月のお菓子と言ったら水無月。これも夏越の祓には欠かせない和菓子です。これ食べておかないと6月を無事に過ごせないのではないかというくらい個人的に強迫観念に駆られます・・・氷に見立てたようろうの上に小豆の乗った初夏の和菓子です。
こちらも京都市内の和菓子屋さんの殆どで購入できるので、旅のお土産に是非どうぞ。