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都七福神めぐり
七福神が宝船に乗った姿というのはなんともおめでたいもので、京都では民間信仰として「都七福神めぐり」が親しまれています。
京都市近辺の都七福神をお祀りする七社寺を御宝印と呼ばれる御朱印をいただきながら周ります。御朱印帳に記入していただいても良いのですが、最初に訪れた社寺で大護符という大判の色紙を購入して、その色紙に御宝印をいただくのが一般的です。

東寺などお寺さんによってはお軸や専用の御宝印帳を用意している所もあるので、最初にどこからスタートするかというのも大事なポイントです。
都七福神を祀っているのは、
■商売繁盛「ゑびす神」—京都ゑびす神社
■福徳自在「弁財天」—六波羅蜜寺
■七福即生「毘沙門天」—東寺(教王護国寺)
■不老長寿「寿老神」—革堂(行願寺)
■開運招福「大黒天」—松ヶ崎大黒天(妙円寺)
■延寿福楽「福禄寿神」—赤山禅院
■諸縁吉祥「布袋尊」—萬福寺
の七社寺で、実際に今回巡ったのもこの順番です。
新春に巡拝すると「七難即滅、七福即生極まりなし」とされ功徳が大きいとのことですが、何かと混み合うので今回は3月3日のひな祭りの日に回っています。庶民信仰としての都七福神めぐりは全国の七福神めぐりの中でも最古とされています。
車で行けば1日で回れて、少し寄り道もできますのでルート選びのご参考にどうぞ。
それでは最初は商売繁盛の京都ゑびす神社から
■商売繁盛「ゑびす神」—京都ゑびす神社

祇園花見小路のほど近く、商売繁盛の神様として京都の人に馴染み深く「えべっさん」の名で親しまれるゑびす神社。
毎年1月8日から12日の5日間に「十日ゑびす大祭(通称:初ゑびす)」が催行され、商売繁昌・家運隆盛の吉兆笹をいただくことができます。
ゑびす神社で購入できる色紙(大護符)に書かれた絵が個人的に大好きな京都の版画家徳力富吉郎と言うことで今回はこちらで購入しました。
京都ゑびす神社
京都市東山区大和大路四条南
TEL:075-525-0005
■福徳自在「弁財天」—六波羅蜜寺

ゑびす神社から六波羅蜜寺までは徒歩10分足らず。平安時代の中期に「南無阿弥陀仏」を唱えて人々に念仏を広めた六波羅蜜寺の開祖空也上人の像があることでも有名です。(口から小さい阿弥陀さんが6体ポワワ〜ンと出ているあの仏像です)
境内の奥には銭洗弁財天が祀られています。
少し前までは六波羅蜜寺で扇子型の大護符が購入出来たのですが、現在は取り扱いがなくなってしまったそうです。
いつか再開されますように、、、
六波羅蜜寺
京都府京都市東山区轆轤町81-1
TEL: 075-561-6980
■七福即生「毘沙門天」—東寺(教王護国寺)

五重塔でお馴染みの東寺には毘沙門天が祀られています。電車やバスで巡る方は京都駅から近い東寺をスタートにすると効率的。東寺の納経所は境内北側にあり、拝観料を納めなくても入ることができます。
五重塔や空海がもたらした立体曼荼羅も拝見したいと言う方は、納経所を出た南側に受付がありますのでそこから境内へ。

そして、なぜか東寺には大護符に全ての御宝印が書かれた完成品を購入することができます。
都七福神めぐりと言いながら、巡らずにコンプリートできると言うトンチのような話。
まぁ人それぞれ都合はあるでしょうから、、、
東寺(教王護国寺)
京都市南区九条町1番地
TEL:075-691-3325
■ちょっと寄り道—まるき製パン所

次の目的地は寺町通りの革堂。。。ですが、ここでちょっと寄り道を。
東寺から大宮通を上がって、梅小路公園も西本願寺も過ぎて松原通りを東に入ると京都人にも観光客にも愛される「まるき」があります。
昭和22年から続く老舗で京都のパン好きなら知らない人はいないと言っても過言ではないはず。昔ながらのコッペパンサンドで小腹を満たしてください。
まるき製パン所
京都府京都市下京区松原通猪熊西入北門前町740
■不老長寿「寿老神」—革堂(行願寺)

行願寺、通称の革堂という方が馴染み深くなっています。寺町通竹屋町を上がった所にあり、西国三十三観音霊場の札所にもなっています。付近の寺町通りにはお茶で有名な一保堂や京野菜を扱う八百屋、ギャラリーなどが並びます。
北から行くなら京都御所の南東角の交差点を南に入り80mほど歩くと到着です。
革堂(こうどう)・・・「革のお堂」という不思議な名前ですが、これは行願寺を建てた行円上人が若い頃、身篭った母鹿を射止めてしまったことを悔やみ、それからは常にその鹿の皮をまとい生活していたことから、その姿を見た人々に皮聖(かわのひじり)と呼ばれていました。その事から皮聖の居るお堂ということで革堂と呼ばれるようになったと言われています。
猫のお世話をよくされているので、行くたびに今日は猫ちゃんおらんかな〜って探しています。
革堂(行願寺)
京都府京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町17
TEL:075-211-2770
■開運招福「大黒天」—松ヶ崎大黒天(妙円寺)

七福神めぐりも残すところ3カ寺。ここからは郊外へと向かいます。
まず向かうのは松ヶ崎大黒天。
大黒天といえば肩に大きな袋を担ぎ、もう片方の手には打ち出の小槌。米俵に乗った柔和な笑顔。
七福神の中でも我々に馴染み深いのが大黒さんじゃないでしょうか。
市内にも大黒天をお祀りしているところは数多くありますが、都七福神めぐりでは松ヶ崎大黒天へ参拝します。
ここは8月16日の五山の送り火で「妙法」の「法」が灯されます。
松ヶ崎大黒天へは少し場所が分かりづらいかもしれませんが、北山通りにあるマツヤデンキとタイヤ館の間にある細い道を上がって、さらに東へ歩くと赤い灯籠と石鳥居が見えてくるのでそこを上がっていけば松ヶ崎大黒天へ着きます。迷いやすいのでご注意を。
松ヶ崎大黒天(妙円寺)
京都市左京区松ヶ崎東町31番地
TEL:075-781-5067
■延寿福楽「福禄寿神」—赤山禅院

松ヶ崎大黒天を西に行くと赤山禅院。
都の鬼鬼門にあたるこの禅寺は、秋の紅葉が有名で多くの観光客が訪れます。
最近では青もみじの京都も取り上げられるようになったのでこの時期も観光客が訪れるようになりました。
比叡山延暦寺の塔頭のひとつで京都市街の北東、修学院離宮のほど近くに建ちます。
この近くには曼殊院や蓮華寺など紅葉で有名な寺院が多いので秋の観光にはおすすめです。

赤山禅院
住所:京都市左京区修学院赤山町
TEL:075-701-5181
■ちょっと寄り道—三十三間堂「春桃会」
これにて京都市内はおしまい。最後に残すは宇治市の萬福寺です。
今回は車で移動しましたが、朝早くからスタートすれば少し時間に余裕があると思います。

この日は3月3日ということで市内から宇治へ向かう途中で三十三間堂に寄り道。
三十三間堂では名前にちなんで「三」の並ぶ3月3日の桃の節句に「春桃会(もものほうえ)」が開催されて堂内では華道池坊の献花式などの慶祝行事が催されるほか、女性専用の「桃のお守り」も授与されます。
(この日は感染症対策でいくつかの行事が中止されていました。)

そしてなんと!当日は無料公開されています。
都七福神巡りとあわせるとなんとも春先らしいおめでたい気分を味わうことができます。
三十三間堂
京都市東山区三十三間堂廻り町657
TEL:075-561-0467
■諸縁吉祥「布袋尊」—萬福寺

京都市内からここだけ離れていますが布袋さんをお祀りしているとなるとやはり萬福寺になるでしょう。
萬福寺は1659年に隠元隆琦が4代将軍徳川家綱からこの地を賜りました。この隠元は日本にインゲン豆をもたらしたとされるインゲン豆の由来となったお坊さんです。
境内は広く、中国の明時代末期頃の様式で造られており左右対称の造りとなっています。日本の寺院建築とは一風変わった造りでここだけ京都ではないような雰囲気。

都七福神めぐり最後は布袋さん。三門をくぐった先の天王殿に大きな金ピカの布袋さんがお祀りされています。萬福寺では布袋は弥勒菩薩の化身といわれ、弥勒菩薩(布袋)坐像としてお祀りされています。初めて訪れる方にはインパクトあるお姿で印象に残るでしょう。
また事前予約は必要ですが中国式の精進料理「普茶料理」をいただくこともできます。
萬福寺
京都府宇治市五ケ庄三番割34
TEL:0774-32-3900

これにて都七福神めぐりは達成。出来上がった色紙にあわせた額を購入して当店では店内に飾っています。
最初の色紙をどこで買い求めるかによって回り方は変わると思いますが、車で回るなら市内の東寺や六波羅蜜寺、京都ゑびす神社を最初に行って、遠くはあとから回ると効率がいいと思います。
例えば電車やバスで巡るなら、最初に京都駅近くの東寺をスタートしてその後は京都駅からJR奈良線で萬福寺へ行くのがいいでしょう。
開運招福を願った都七福神めぐり。あっち行ったりこっち行ったりとせわしないまち歩きですが、終わってみれば達成感に気分晴れ晴れとなっているはず。
都七福神めぐり
HP:https://miyako7.jp