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京都市京セラ美術館開館1周年記念展「上村松園」へ行ってきました


京都市美術館は2017年から大規模な改修工事に入り、2020年に京都市京セラ美術館として新たに生まれ変わりました。

そのリニューアル1周年を記念して2021年7月17日から9月12日まで京都市京セラ美術館1周年記念展「上村松園」が開催されています。リニューアルしてから初めて館内に入りましたが、今までの京都市美術館の姿は残しつつも、これまで立ち入ることの出来なかった箇所を通路として使用したりと建物としても大変楽しめる美術館に変わりました。

京都市京セラ美術館開館1周年記念展上村松園

上村松園(1875〜1949)ーーー近代の京都画壇を代表する日本画家の一人。
明治初期に京都で生まれ昭和24年まで数々の作品を生み出した女性画家。松園といえばやはり美人画。市井の庶民から、芸姑や歴史上の人物などを幅広く描き、品のある美しさとその透明感はその人の内面の強さも表現されています。

(個人的には上村松園の描く眉がたまらなく好きです)

京都市内の美術館や博物館に多く収蔵されており、常設展でも鑑賞する機会の多い上村松園の絵ですが、今回の企画展では前期後期あわせて100点近くの名画を鑑賞することができる貴重な機会。京都市美術館としても1974年に開催した「生誕100年記念 上村松園展」から約50年ぶりの開催となり力の入れ方もひとしお。
今回の企画展のメインにもなっている重要文化財に指定されている「序の舞」(後期展示)と「母子」(前期展示)の作品を含めて最初期から絶筆「初夏の夕」に至るまでの上村松園の代表作を拝見することが出来ました。

これだけのコレクションが次に出会えるのはいつになるでしょうか。美術館としても検温消毒など対策をしっかりされていて安心して巡ることが出来ました。

ちなみに上村松園展が開催されていた場所は美術館内の1階北回廊と呼ぼれるスペースで、上の写真はこれまで非公開だった空調機器類が設置されていた中庭部分が新たに「光の広間」として生まれ変わりました。

京都市京セラ美術館

昨年はコロナ禍での臨時閉館にも見舞われ、訪れたのは今回の企画展が最初という方も多いようでした。新しく生まれた変わった美術館の館内も見学ポイントの一つとして楽しむことが出来ます。リニューアルされてまず注目されるのがエントランスのスロープ状の広場。ガラスのファサード「ガラス・リボン」と名付けられ、その上に80年にわたって親しまれてきた歴史的建造物の本館があります。今までは地上部の本館正面玄関が今までの入り口でしたが、今回の改修工事で地上部を掘り下げて、地下部分に当たるエントランスが入り口へと変わっていました。

中央ホール

この地下一階部分から大階段を登ると天井高16メートルの旧大陳列室に出ます。ここが中央ホールへと呼び名が変わり、美術館内の様々な企画展に移動できるスペースとして生まれ変わりました。中央ホールにある真っ白なスロープは写真スポットとして多くの人が写真を撮っていました。

東エントランス

この日は感染症の拡大防止のため昨年の開催が延期となった「THE ドラえもん展 KYOTO 2021」、と「フランソワ・ポンポン展」の3つの企画展が開催されており、中央ホールを抜けた東エントランスにはドラえもんが迎えてくれていました。この東エントランスの先にあるのが、リニューアルにより誕生した「東山キューブ」という新館で、現代美術を中心に色々なジャンスの作品が展示されます。

東エントランスから眺める日本庭園

東エントランスの奥には東山を借景とした日本庭園が広がります。この日本庭園は美術館利用者に限らず建物の南側から回ると入ることが出来ます。
美術館の中からこの日本庭園には行けないのでご注意を。
(外に出る場所があるのかうろうろと探してしまいました。。。)

館内

北回廊の陳列室を抜けるとノスタルジックな2階へ続く回廊が。この回廊は「日本に京都があってよかった」キャンペーンのポスターにも使われていました。立ち入ることは出来ませんでしたが、企画展によっては北回廊の1階と2階を使用するなんていうケースも今後あるのかもしれませんね。

館内

この螺旋回廊の下にはトイレが。個人的に今回のリニューアルで嬉しかったのはトイレが綺麗になったこと。
これまでが決して汚れていたという訳ではなくやはり少し古い感じがしたので、歴史的建造物としての表情は残しながらもその中のトイレの衛生面が向上して気持ちよく利用することが出来ました。
トイレが綺麗って大事なことやと思います。

西玄関

新しくなった館内をぐるっと歩いていると自分がどこにいるのか分からなくなりますが、ここは西玄関。
改修前はエントランスを入ると、この玄関がありました。今では陳列室裏の隠れスポットのようになっていますが、改修前の姿が残されているのはいいことですね。

西広間の天井

西玄関の上のステンドグラスもそのまま残されていました。

京都市京セラ美術館

夜にはライトアップされた京都市京セラ美術館が岡崎公園に浮かび上がります。左京区の岡崎公園には京都市京セラ美術館の他にも平安神宮や京都国立近代美術館、ロームシアターなど様々な文化施設が並んでいます。

様々なアートシーンに対応するべく生まれ変わった京都市京セラ美術館。当店でも企画展のチラシはその都度、並べていますので京都の観光スポットの一つとして訪れてみてください。

京都市京セラ美術館の開催中・開催予定の展覧会はこちら>>

京都市京セラ美術館
京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜日
HP:https://kyotocity-kyocera.museum


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