お昼のランチタイムが終わり、自分のお昼ご飯は何を食べようかと考える。それほどお腹も空いていないけど、寒いので体の中から温まるものが食べたい。築80年の古民家というのは底冷えが厳しいのです。
そんなわけで、今日は粕汁(かす汁)を作ることにしました。京都の粕汁は豚バラ肉が入るのが特徴。お肉が入ることで旨味がぐっと増します。材料も作り方もシンプルで、体の内側からじんわり温めてくれます。
今回はご家庭で作りやすい4人分ほどの分量でレシピを記載します。(調理例の写真は京都アンテナショップ丸竹夷の店内で提供するために2〜3倍の量があります。)
【京都風粕汁のレシピ】
〈作りやすい分量〉
酒粕・・・150g
白味噌・・・80〜100g
大根・・・1/2本
金時人参・・・1本
こんにゃく・・・1/2枚
油揚げ・・・2〜3枚
豚バラ肉・・・100g
青ネギ・・・少々
粕汁はそれほど難しい料理ではなく豚汁を作るようなイメージです。豚汁もそうですが、お味噌汁を作るというよりも煮込みスープを作るというイメージが大事です。旨味をしっかり出して、味噌の風味を飛ばさないように注意して作っていきましょう。
1.大根と金時人参を切る
大根は皮をむいて、1センチ幅のいちょう切りにします。金時人参は皮をむき1センチ幅の輪切りにします。大根も金時人参も少し厚めに切っています。粕汁のようなほっくりする料理の場合、具材を厚めに切ると優しい味わいになります。ハフハフ言いながら食べて、温まってほしいんです。
粕汁は白一色という景色なので、金時人参の強い赤色が入るとより美味しく感じます。ただ、金時人参が手に入らないときは普通の人参でも構いません。味に変わりは殆どありませんし、ご家庭なら普通の人参のほうが経済的です。
2.その他の具材を切る
こんにゃくは1センチ角に、油揚げも1センチ幅、豚バラ肉も1センチ幅にそれぞれ切ります。大きさを揃えるのが食べやすくするポイントです。
油揚げは熱湯をかけて油抜きをする必要はありません。キッチンペーパーで油揚げを挟むようにしてぐっと押して、表面の油だけ吸わせるだけで充分です。残りの油はうま味として利用しましょう。
3.具材を煮込んでいく
油揚げ以外の切った具材を鍋に入れて、かぶるくらいのだし汁を注ぎます。沸騰したら中火にして大根と金時人参が柔らかくなるまで中火で煮込みます。
この時点でだし汁が○○cc必要ということはないです。ご自宅の鍋に合わせて注いでください。だし汁が多すぎたかな〜と思っても大丈夫。酒粕と味噌でなんとでもなります。
油揚げはこの時点で入れるとプカプカと浮いてしまうだけなので、大根が柔らかくなってきたくらいの時に入れてください。
4.酒粕を溶く
具材が柔らかくなってきたら、ボウルに酒粕をちぎって入れ、3の煮汁を加えながら泡立て器などで溶きます。
テレビや本に「酒粕をぬるめのお湯で溶く」と表記している場合もありますが、わざわざお湯を沸かすなんて面倒なことはする必要ありません。煮込んだ出汁のほうが味の馴染みも良いです。
5.仕上げ
溶いた酒粕を入れて、白味噌を入れます。粕汁の美味しさを分けるのは酒粕と味噌じゃないかと思います。この2つが美味しくないと成り立ちません。ちなみに白味噌の分量はあくまでも目安です。作りなれていない方は、酒粕を入れた状態で一度味見をして、少しずつ味噌を入れていくといいでしょう。
店で作るときの味噌は2パターンありその日の気分によって変えています。白味噌のときは京都の白味噌と信州味噌を1:1でブレンドしたもの。もう1つは白味噌ではなく鹿児島の麦味噌。この2パターンです。
写真は白味噌と信州味噌を溶いたものです。味噌だけはそれぞれの家庭で使っているものが違うので分量はあまり当てにしないでください。味噌を溶いて味見した時になにか物足りなければ、薄口醤油をちょろっと入れてください。これだけでも味が締まるはずです。
再び沸騰したら火を止めて完成です。
ここでグツグツと煮てしまうと味噌の風味が飛んでしまうのですぐ消しましょう。
青ネギを刻んで器に盛れば京都アンテナショップ丸竹夷で人気の京都風かす汁の完成です。
京都の粕汁は豚肉が入るので食べごたえもあります。この豚肉を鮭のあらや切り身に代えても美味しいですよ。粕汁は味噌汁という分類ではなく。煮込み料理という京都のおばんざいです。その日に食べても美味しいのですが、一晩おいて翌日に食べると味も馴染んで美味しくなっています。
酒粕、白味噌、豚肉、野菜。これだけあれば簡単に作れる京都風粕汁のレシピでした。
ご覧のかす汁は冬の間の期間限定で京都アンテナショップ丸竹夷で1杯350円にてご提供しています。