夜は短し歩けよ乙女
名古屋市内にある京都アンテナショップ丸竹夷の実店舗は、うなぎの寝床と呼ばれるように間口の狭い店ですが、奥へと長く続く構造をしています。
店頭のショップスペースから奥へと進むと京都府中のパンフレットや美術館、博物館のチラシなどを配架したコーナー、そして手前に床の間のある喫茶スペース(その1)と、中庭を抜けた先にある一番奥の喫茶スペース(その2)があります。
この喫茶スペース(その2)には、京都の観光本や神社仏閣に関する本、仏像本などなど置いており、いくつか文庫や単行本も置いてあります。
季節は10月に入りすっかり秋の気配ということで、読書の秋が到来しました。
その中で今回ご紹介するのは森見登美彦著の「夜は短し歩けよ乙女」です。
京都が舞台となっているこの本、この店をやる前から持っていた本だったのですが、どうにもハマらなかったのです。
「ハマらない」
という表現が伝わりやすいのかどうなのか分かりませんが、最初の4分の1くらいまでで全く「グッとこない」ので、何年も本棚に刺さったままになっていました。
評判はすごくいい本なんです。
森見登美彦の中ではナンバーワン!という人も多いこの作品。
でも、どうにも私には最初の4分の1までで飽きてしまって何年も先に進むことがありませんでした。
グッとこないのです。。。それでも頑張って3回位は挑戦しました。3回ともグッと来なかったのです。
京都を舞台にしたこの本。読んだことある方はご存知でしょうが「下鴨納涼古本まつり」から先に進めないままでした。
それなのに、読書の秋の力でしょうか。
読みたい本がなくなったので、軽い気持ちで「下鴨納涼古本まつりの先まで読んでみよう。ここを抜けたら面白くなるかもしれない。」
そうして頑張ってみた結果、読了しました。しかも今回はたった2日で。
いやーーーー、面白かった!!
男女の恋のお話が根幹なのですが、こうゆう終わり方もいいなぁと。
まだ読んでいない人のために内容はお伝えできませんが、下鴨神社や京大、進々堂などあの辺りの地理や風景をご存知の方なら更に楽しめるはずです。
森見登美彦さんは京都を舞台にした小説を何冊か手がけていますが、その中でも「夜は短し歩けよ乙女」は個人的におすすめします。
なんとか「下鴨納涼古本まつり」まで頑張って読んでください。
そこから物語は一気に盛り上がっていきます。
一般的な喫茶店に比べたら、店主の好みが色濃く映し出されている本棚ですが、
個人的におすすめの小説は本棚へ置いていますので、お茶でも呑みながら、お酒でも呑みながら、
お一人様でも何人様でも結構ですので、読書の秋を満喫していってください。