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公開日 2021年10月23日 最終更新日 2021年11月13日
京都市内で一番標高の高い山が北西部の右京区にある標高924メートルの愛宕山。
ここは全国に約900社を数える愛宕神社の総本社で古来より火伏・防火に霊験のある神社として知られ、信仰の霊山として今も昔も多くの人が愛宕山を登っています。
山頂の愛宕神社でいただける火迺要慎(ひのようじん)のお札は京都の家庭では大変馴染み深いお札です。京都市内の飲食店などで見かけたことがある人も多いはず。
今日は通称「愛宕さん」の火迺要慎(ひのようじん)のお札を頂きに5時間の日帰り登山をやってきました。
全国各地にある愛宕神社の総本社
愛宕山は京都市内からも探しやすく北西方向に山頂部だけコブのようにポコッとなった山がそれ。
山頂の愛宕神社へと向かう登山口は3つあり嵐山の先にある嵯峨の清滝と、ゆずの里として知られる水尾、櫁原(しきみがはら)に登山口が設けられています。
今回は表参道とも呼ばれ市内中心部から最もアクセスしやすい清滝から入山していきます。
清滝登山口から愛宕山登山スタート!
車ならば麓に有料のさくらや駐車場(青木駐車場)があり、朝6時半頃に管理の方が来て車を停めることが出来ます。ここにはトイレもあるので忘れずに行っておきましょう。山頂までトイレはありません。
バスなら京都駅前バスターミナルや三条、嵐山から清滝バス停から降りると登山口はすぐそこ。
表参道から山頂の愛宕神社までは距離およそ4.5km、2時間半〜3時間かかる立派な登山です。登山初心者の方は服装などしっかり準備してから登ってください。
山頂までには神仏習合の時代に山岳修験の霊場として栄えたことを想わせる住坊の跡が遺っています。
写真は17丁目にある火燧権現の祠です。
ちなみにこの「〇〇丁目」が50丁に達するところが山頂の愛宕神社となります。
山頂まで比較的整備はされていますが普通の登山道と同じですので、倒木や道迷いの危険もあるので何があっても良いように準備は万全に。火迺要慎のお札はそう簡単にいただけるものではないのです(ゼーハー、、、ゼーハー、、、)
昔の愛宕山はリゾート地だった!?
ここは明治初期頃まではあったという茶屋兼宿屋の跡があります。
往時はこの参道にいくつもの茶屋や宿があったそうで愛宕信仰の総本社として賑わいを見せていました。現代で言えばリゾート地でもあった愛宕山は麓の清滝に遊園地があり、愛宕山にもスキー場や遊園地、ホテル、ケーブルカーが走っていましたが第二次世界大戦の世界恐慌でケーブルカーが配線となるとホテルや遊園地も廃業していったそうです。
茶屋跡から少し歩くと30丁目の水口茶屋跡。山としては半分の5合目に休憩所が設けられています。
広がる山裾を眺めてちょっと一息
ここまで来ると亀岡や南丹方面の山々を望むことが出来ます。水分補給や行動食を摂りながらのんびりハイキング気分でどうぞ。
この辺りは傾斜も緩く、木漏れ日を受けながら気持ちのいい山歩きができます。
5合目の休憩所から30分ほど歩くと水尾別に出ます。ここには休憩所もあり水尾側の登山口との合流地点となります。右へ行くと山頂で、左へ行くと水尾の登山口へ下山する形となりますので間違えないようご注意を。
登山者の挨拶は「おのぼりやす」「おくだりやす」
愛宕山の特徴として下る人には「おくだりやす」、登る人には「おのぼりやす」が挨拶なのですが千日会の時でない限り普通に「こんにちわー」となる方がほとんどです。
44丁目の急坂を登ると神仏習合の際は神宮寺であったことを今に遺す黒門が現れます。
ここまでくれば山頂まであとちょっと。頑張りましょう!
山頂の愛宕神社からは京都市内一望!
愛宕神社の山門をくぐれば山頂に到着です。古びた石灯篭が立ち並び境内にはベンチやトイレなどがあります。山頂からここまでトイレはないので、下りも考えて休憩して行きましょう。
本殿で御札がいただけるのは朝9時から。清滝の駐車場が使える朝6時半に登山口を出発するとちょうどよい時間に本殿に到着するはずです。
今回の帰りは月輪寺から清滝へ向かう月輪寺参道登山口ルートで下りました。そのまま来た道を引き返して下山するのもいいですが、違った景色を見ながら下るのも新鮮でおすすめ。
愛宕神社からすぐの所で展望が開け京都市内が一望できます。画面中心の森みたいなところが京都御所で、その向こうが東山。
次の京都旅行では街から愛宕山を眺めると「あそこ登ったなぁ〜」と感慨深くなるはずです。これから登山を始めてみようかなぁという登山初心者の方にも愛宕山はおすすめです。
帰りは月輪寺ルートで愛宕山ぐるっと一周
月輪寺を過ぎると2時間ほどで清滝の登山口へ到着です。その途中には落差15メートルの空也の滝もあるので元気な方は寄り道してみてください。
市民に馴染みのある神社であり山である愛宕山は比較的登りやすい低山で気が緩みがちですが、地上よりもだいたい10度ほど気温差があります。夏場以外は防寒に一枚羽織るものを持っていると安心。道中に休憩したり昼食をとったりとこの行程で約6時間かかるので余裕を持った時間配分がおすすめです。
山は暗くなるのが早いので遅くとも朝11時までには登山口を出発してください。登りやすいのが仇になってか毎年何件も山岳事故が発生しているそうです。登山は自己責任ですのでどうぞ安全にご参拝ください。
自分の足で登った「火迺要慎のお札」は感慨もひとしお
今回は清滝をスタート地点に、表参道から山頂の愛宕神社、下りは月輪寺からの周回コースを歩いていきました。
このルートが愛宕山登山の最も一般的なコースで、登山道も整備が行き届いており、登山初心者の方も挑戦しやすいルートとなります。
愛宕神社でいただいた火迺要慎のお札は当店のイートインスペースに貼りました。火の用心で今日からまた頑張っていきます。
愛宕神社
住所:京都市右京区嵯峨愛宕町1
HP:http://atagojinjya.jp
さくらや駐車場
住所:京都府京都市右京区嵯峨清滝一華表町30−2
HP:http://sakuraya.kiyotaki.kyoto/hp/